スタートレック・ヴォイジャー『伝説のミスター・カトー』での設定

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2290年より、ヒカル・スールー艦長の下で3年間にわたったベータ宇宙域におけるガス星雲の調査航行を終えたUSS エクセルシオは帰途についていましたが、突然の衝撃波に巻き込まれたことで、クリンゴンの衛星プラクシスの爆発を探知しました。プラクシスの爆発を受け、惑星連邦とクリンゴン帝国は和平交渉を始めましたが、ジェームス・T・カーク艦長指揮のエンタープライズAとゴルコン宰相の乗艦するクリンゴン戦艦がランデブーした際に、何者かにゴルコン宰相が暗殺されてしまい、カーク艦長に暗殺の容疑が掛けられました。辛くも脱出したカーク艦長がキトマー条約締結を阻もうとする惑星連邦のカートライト提督とクリンゴン帝国のチャン将軍の謀略を阻止するためキトマーに向かっていることを知ったスールー艦長は、エクセルシオを最短距離でキトマーへ向かわせるため、クリンゴン領域のアジュール星雲を抜けて進むことにしました。

時は24世紀、USS ヴォイジャーのトゥヴォック少佐は何らかの脳の病気にかかっており、彼の見る幻影の原因を探るためにジェインウェイ艦長と精神融合を試みました。精神融合の中で二人は、トゥヴォック少佐が最初に勤務したスールー艦長指揮のエクセルシオに乗艦していましたが、幻影の正体が分からないまま、精神融合ではエクセルシオでの記憶が再現され続けました。

ここでのエクセルシオは、精神融合中のトゥヴォック少佐の記憶の再現です。本来(『スタートレック6 未知の世界』)のエクセルシオとはどこかが違っています。

以下はスタートレック・ヴォイジャー『伝説のミスター・カトー』に登場するキャラクターとUSSエクセルシオの設定です。

スタートレック・ヴォイジャー『伝説のミスター・カトー』に登場する主なキャラクター



艦長 ヒカル・スールー大佐(ジョージ・タケイ)
ジェームズ・T・カーク 船長率いるUSS エンタープライズのオリジナルメンバーの一人。
2290年にUSS エクセルシオの艦長となり、2293年にはチャン将軍のバード・オブ・プレイとの戦闘でUSS エンタープライズAを助け、キトマー和平会議においてクリンゴンのアゼトバー首相暗殺を防ぐという、重要な役割を果たした。

通信士官 ジャニス・ランド少佐(グレース・リー・ホイットニー )
元ジェームズ・T・カーク 船長付の秘書官であったが、転属し様々な部署で功績を残す。
スールー大佐の要請でUSS エクセルシオの通信士官として迎え入れられる。

科学士官 ディミトリ・ヴァルテイン大尉(ジェレミー・ロバーツ)
スールー艦長の命で宇宙艦隊の指示に背き、エンタープライズの支援をするためUSS エクセルシオをクロノスに向かわせている途中、カン司令率いるクリンゴンの戦艦に遭遇し、その際に起きた戦闘で死亡(トゥヴォックの記憶では死亡だが、キトマー和平会議後も彼の生存は確認されている。実際にディミトリ・ヴァルテイン大尉は死亡したが彼には双児の兄弟がいたか、トゥヴォックの記憶が間違っていたかのいずれかである)。

科学士官 トゥヴォック少尉(ティム・ラス)
ヴァルカン人男性士官。カークとマッコイの救出作戦の為にクロノスに向かうスールー艦長に対し艦隊指令違反を指摘するが、取合われなかった。

操舵士 ロジュール少佐(ボリス・クルトノグ)
衝撃波に衝突したエクセルシオで、スールー艦長に操縦不能と告げる。
クロノスへ向かうためにアジュール星雲を抜けて行くよう、スールー艦長から指示される。

USS エクセルシオ 『伝説のミスター・カトー』での設定

マスター・システム・ディスプレイは、ST6撮影時に使用されたものがそのまま使われました。ここでは、本来そうであるべき背面図をプロトタイプのエクセルシオから改装後のエクセルシオのものに変えてあります。以下のものは背面図を登録番号NCC-2000のエクセルシオに作り直したものです。

USSエクセルシオ マスター・システム・ディスプレイ
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USSエクセルシオ 記念銘版
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劇中では「ジェネレーションズ」使用されたエンタープライズBのパネルと同じデザインになっていました。エンタープライズBの部分をエクセルシオの形状に作り直しました。

USSエクセルシオ ターボリフト・コントロールパネル
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トゥヴォックの記憶ではヴァルテインに関する記憶が曖昧であったこともあり、別のエクセルシオ級の船か他のクラスの船と混同している可能性があります。トゥヴォックの記憶では科学ステーションが3つあるのですが、ST6では当然ながら1つしかありません。銘板も右舷のターボリフトのアルコーブに1つと左舷の出入口のアルコーブにあります。また、ターボリフトのケージも四角い形状になっていました。トゥヴォックの記憶のブリッジを再現しました。

USSエクセルシオ ブリッジ図面
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1996年に Simon and Schuster社から発売されたインタラクティブ・ビデオゲーム「Star Trek: BORG」にエクセルシオ級USSライチェスが登場します。ライチェスは「新スタートレック」第74・75話『浮遊機械都市ボーグ』でウルフ359の戦いに参戦した船として設定され、ディスプレイのデザインこそ24世紀に合わせてありますが、ブリッジのセットは『伝説のミスター・カトー』で使用されたエクセルシオのブリッジの改修のようでした。ゲーム用にデザインされたオプスとコンのコンソール、新設のセキュリティ・コンソール、壁に設置された医療キット以外は、『伝説のミスター・カトー』でのエクセルシオのブリッジのままでした。他のシーンで、機関部・通路・ターボリフトが出てきますが、スタートレック・ヴォイジャーのセットを改修や流用したものである事が分かります。ターボリフトはヴォイジャーと同じ仕様にして、USSライチェスのブリッジを再現しました。

USSライチェス ブリッジ図面
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