“Yorktown: A Time to Heal” での設定

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ここでは、1985年に製作が始まり、ジョージ・タケイ氏がスールーとして出演したファンによる自主製作作品 “Yorktown: A Time to Heal” を紹介します。この作品はスタン・ウー製作のファン自主製作映画ですが未完成のままでした。この短編映画はスタートレック・オリジナルシリーズと映画版の間に起こった出来事を描いています。
この作品は視覚コンサルタントに、1978年の映画版スター・トレック、1987年の新スタートレックのエンタープライズ、バック・トゥ・ザ・フューチャーのタイムマシンのデザイナーであるアンドリュー・プロバートが参加しています。プロバートは、USS ヨークタウン、テロリストの宇宙船ナギアー、クリンゴンの単座戦闘艇Kファイターをデザインしました。

以下は “Yorktown: A Time to Heal” に登場するキャラクターとストーリーの設定です。後半でムービーがご覧いただけます。

『ヨークタウン:癒しの時』に登場する主なキャラクター

ヒカル・スールー少佐(ジョージ・タケイ)
ジェームズ・T・カーク 船長率いるUSS エンタープライズのオリジナルメンバーの一人。
USS エンタープライズがドライドックで改装中に、一時的にUSS ヨークタウンに配属される。

船長 ブラッドリー・フレーム大佐(J・J・シルヴィア)
USS ヨークタウンの船長。
テロリスト「シャーク」が盗んだ装置を破壊すべくパール3号星に向かう。

第7宇宙基地 ヘイハチロー・ノグラ提督(ジェームズ・シゲタ)
ヨークタウン船長フレーム大佐にセンサー・ドローンの破壊を命じる。

第7宇宙基地 ロリ・チアナ少将(テレサ・E・ビクター)
ノグラ提督の直属の部下。

保安チーフ テー(ケイシー・ピルスベリー)

船医 クーパー(ブライアン・オブライエン)

元宇宙艦隊大尉 ジェフリー・R・ポンド(スタン・ウー)

クリンゴン艦長 マク(リアム・コリンズ)

『ヨークタウン:癒しの時』の設定

クリンゴンによる追跡を逃れながら攻撃を受けた宇宙艦隊の偵察探査機が未探知のまま惑星パール3号星に墜落しました。改装されたUSS ヨークタウンに一等航海士として着任しているヒカル・スールーは、ノグラ提督から行方不明のスパイドローンの場所を探る機密任務を受けています。クリンゴンとの壊滅的な戦争の火蓋が切られるのを防ぐため、ブラッドリー・フレーム船長指揮のもと、USS ヨークタウンは、その存在を隠しつつ、行方不明のドローンを一早く発見すべく格闘します。同時に、S.H.A.R.K.と呼ばれるテロリストグループは、ドローンの場所を発見し、デバイスを盗んで自分達の邪悪な手段に使用することを計画します。

パール3号星に上陸したフレーム船長以下、USSヨークタウンのクルー

パール3号星のロケは、エンジェルス国立森林公園、アローヘッド湖などで行なわれました。

ジェフリー・ポンドとシャークのメンバーを倒したヨークタウンの乗務員
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「Yorktown: A Time to Heal」の製作が開始されたのは1985年であり、今日の自主製作作品の様にCGなどは使われず、特殊効果はもっぱらミニチュアを使用した撮影が行なわれました。下記の写真は市販のプラスティック・モデルを改造したUSSヨークタウンの撮影用模型です。

当初使われる予定だったUSSヨークタウンの撮影用模型
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元々、1985年から1987年までに撮影され、1987年以降は中断していましたが、すべての主な撮影は完了しています。 特殊効果と音楽は全く完了していませんが、 アフレコは部分的に完了している状況です。 現在のデジタル技術によって作品が救われる可能性が出てきました。 脚本も、変更箇所を取り入れるよう準備中で、アフレコでセリフが変わります。 映画脚本家ポール・マッカドン(「フロム・ジ・アース/人類、月に立つ」)は脚本を終えています。

アンディ・プロバート氏によるUSSヨークタウン、コンセプトアート
TOSとTMPの中間のデザインを提案している

製作開始から25年経った2010年より、再び「Yorktown: A Time to Heal」の製作が開始されました。新たにシーンを撮り足しし、特殊効果も最新のCGをふんだんに使ったものになるようです。公開予定は2012年でしたが、2014年末に延期されました。また、2011年に序章にあたるコミック「Yorktown: A Time to Die」が公開される予定でしたが、現在(2014年)のところまだ公開されていません。

2015年秋に、ジェームズ・コーリーのニュー ヴォエジズのセットを使用して、ヨークタウンのブリッジ、船内通路のシーンが追加撮影されました。この追加撮影により当初の上映時間22分を若干超える見込みです。

USSヨークタウンの最終CGイメージ
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一旦は2021年中に公開とのアナウンスがありましたが、結果公開は延期になりました。しかし、2022年になって、待ちに待った「Yorktown: A Time to Heal」がついに公開されることになりました。2022年4月3日に Neutral Zone Studios でプレミア上映会、「ファーストコンタクトの日」の4月5日午後1時(アメリカ東部時間)にYouTubeとVimeoでオンライン公開されました。

YouTube版(設定で英語字幕を出すことができます)

 

Vimeo版(字幕はありません)
公開ポスター
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『ヨークタウン:癒しの時』キャストとスタッフ

製作:スタン・ウー
製作総指揮:ジェム・オン・ウー
監督製作者:ジョン・アトキン
映画製作補:テレサ・E・ビクター
脚本:ダヴ・シュワルツ、スタン・ウー、ポール・マッカドン
監督:アラン・スミシー
第2班監督:ウィリアム・アリソン
助監督:アーヴ・ワイス
編集:カイル・ウィルソン、ジュアン・カラファトヴィッチ
カメラマン:ガストン・バーラベン
美術監督:ロジャー・ウィッター
音声:セオドア・マクレンドン
音楽:クリストファー・バー
特殊効果:ローランド・バロン
制作イラストレーター:アンドリュー・プロバート

キャスト:ジョージ・タケイ、ジェームズ・シゲタ、J・J・シルヴィア、スタン・ウー、ウィル・ロドリゲス、ランス・ウィリアムズ、テレサ・E・ビクター、ケイシー・ピルスベリー、ジョセフ・カレツマン、ボブ・ウィッター、ロジャー・ウィッター、アラン・サロペック、ブライアン・オブライエン、ティナ・ホヴァス、スティーヴ・グッドパスター、パトリシア・アン・コクラン、ジョン・アトキン、ジェシー・テブス、アシュリー・ロテキ、ロン・ボイド、リアム・コリンズ

キャラクター:ヘイハチロー・ノグラ提督、ヒカル・スールー少佐、ブラッドリー・フレーム大佐、ジェフリー・R・ポンド大尉、その他。
時代設定:スタートレック・オリジナルシリーズからスタートレック映画第1作までの期間
セット:大半がロケ、一部をセットで撮影
映像品質:スーパー8フィルムからランク・シンテルでシネスキャン
衣装デザイン:ケイシー・ピルスベリー(コンセプトはスタン・ウー)

活動拠点:カリフォルニア州ロサンゼルス (1985年から1987年まで)、オンタリオ州トロント (2010年から現在)

上映時間:23分55秒

IMDb:Yorktown: A Time to Heal