2004年7月8日、タケイ氏はパラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン(以下、PHEJ)の招待で、7月10日より14日までJR東京駅構内イベントスペース メディアコートBreak で開催された「宇宙大作戦」DVD発売記念『「スター・トレックの世界」パネル展』のオープニングイベントへの出席とプレスの取材のため来日されました。
翌9日と10日の午前までPHEJ本社のふたつの会議室を使い切り、分刻みのスケジュールでタケイ氏への取材が行なわれたとのことです。このときの様子は通訳として同行していらした山口智子氏の詳細なレポート(STfan.comの過去記事ですが、丹羽正之氏に許可を得て当サイトで再構成したものです。)をご覧ください。
午後からはPHEJ社主催『「スター・トレックの世界」パネル展』イベントのために東京駅へ向われました。イベントにタケイ氏がみえることは大々的に告知されていたわけではありませんでしたが、当日は開始時刻前から多くのスタートレックファン、タケイさんファンが集結しタケイ氏の登場を待ちわびていました。イベントスペースでのパネル展は午後5時から開催の予定で未だ設置作業の続く中、スタートレック・レディースと呼ばれるウラ中尉と同じ赤のユニフォーム姿の扮装をした4名のコンパニオンが待機する会場で、 午後2時から開始されたイベントに最初に登場したのは新スタートレックのゴールドユニフォームを身にまとったヴォイジャー佐藤と名乗る司会の方でした。パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパンの田名賢氏が紹介され挨拶をされた後、マイク・パフォーマンス声帯模写が本業のヴォイジャー佐藤氏の熱演で最初は静かだったイベント会場が徐々に熱くなり、いよいよスペシャルゲストのタケイ氏登場がアナウンスされます。
タケイ氏はステージに上ると、ヴァルカン・サインをして開場に集まった方々ににこやかに微笑まれ流暢な日本語で日本のファンに向け挨拶をされました。そして、今年の宇宙大作戦DVDの発売のこと、来年日本語版発売予定のタケイ氏執筆の自伝「To the Stars」の告知をされ、タケイ氏がスタートレック・ヴォイジャーにゲスト出演されたエピソードの小説版を翻訳した山口智子氏が通訳として紹介されました。
その後質問コーナーがあり、現在の宇宙大作戦の俳優たちとの交流についての質問ではレナード・ニモイ(スポック役)とウィリアム・シャトナー(カーク役)との交友の深さ・政治へのスタンスの違いを話され、6月には赤ん坊の頃から知っているウォルター・ケーニッグ(チェコフ役)の娘さんが結婚されたりと他の俳優の方々ともいい友人関係が続いていることを披露されました。次回作出演の希望についての質問には3年前にエクセルシオのスールー艦長を主役にしたテレビシリーズ制作の要望ををパラマウントに嘆願する世界的な運動があったことを話され、未だにパラマウントからは何も言ってこないのでぜひ皆さんからもパラマウントに要望を出してほしいとの『お願い』をされていました。唯一スタートレックの衣装を身にまとった女性ファンからコスプレファンについての感想を求められた時は、アーカンソーでクリントン大統領についてのセクハラ裁判の陪審員を決める際に同じ様な扮装の人物が現れ『正式かつ公式な場であるのでこの格好で来た。』と主張したが、もちろんその人物は選ばれなかったというエピソードをユーモアたっぷりにお話しされました。
司会のヴォイジャー佐藤氏からの代表質問で日本でのみスールーが「カトウ」と呼ばれていることについては、日本語版の制作者が演じている俳優が日系人のため勝手に日本人の名前に変えてしまったことを指摘され、またそれはスールーがアジア人全体を代表するキャラクターとして設定されていた為にスタートレックの生みの親ジーン・ロッデンベリーの考えとは相反するものであったことなどをお話しされました。後から設定されたファーストネームもファンからの質問がきっかけで、ロッデンベリーが当時読んでいた源氏物語からヒントを得て『ヒカル』に決定されたことも付け加えられました。後日談で、自分が日本でのみ「カトウ」と呼ばれていることを知ったいきさつなども答えておられました。(参照:GEORGE TAKEI トークショー 〜長井さんレポート全文〜 6.スタートレック出演)
最後に、タケイ氏は今回の来日の目的である今年の12月発売の宇宙大作戦DVDの宣伝をされ、来日以来通訳を務められた山口氏に感謝の言葉を述べられました。今回のイベントでは、タケイ氏がほとんど日本語でお話をされたため日本語訳が難しい場合のみ山口氏が助け舟を出すような様子でした。そして、スタートレック・レディースから花束を贈呈され、スールーのパネルにサインをされてイベントは終了しました。あとはスタートレック・レディースに囲まれてプレス関係の写真撮影・取材が行なわれ、全ての予定が終了するとファンの皆さんが差し出す写真・スチール・色紙・雑誌などへのサイン攻めにあっておられました。
来日以来ギッシリと埋まったスケジュールをこなし休む暇もなかったたタケイ氏ですが、お声を枯らしながらも不快な顔を一切なさらず、時折水を飲みながら『朝一から新聞記者と話をして、声がしゃがれてしまって失礼です。』と、とても謙虚な態度でお話を続けておられました。今回のイベントでタケイ氏の人柄に触れ、好感を持った方は少なくなかったと思います。新たなジョージ・タケイファンが増えたことでしょう。
このイベントの様子はスターシップコンゴウ – ホームページでも紹介されています。
次のページでは、「スター・トレックの世界」パネル展の様子をご紹介します。
エクセルシオ・キャンペーン日本事務局
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